大切なフィギュアのパーツが外れてしまい、接着剤で直そうとしたのに、なぜかうまくくっつかない…そんな経験で悩んでいませんか。
フィギュアの接着剤がくっつかない原因は、素材や表面の状態、選ぶ接着剤の種類など、意外にたくさんあります。
この記事では、接着不良の主な要因とその解決策、素材に適した接着剤選びや失敗例まで、フィギュア修理で困ったときの“知りたい”情報を徹底解説します。
うまくいかない理由と対処法を知り、修復の成功率をアップさせたい方は、ぜひ続きをご覧ください。
フィギュアの接着剤がくっつかない時の原因と対処法

フィギュアの補修やパーツの固定で「接着剤を使ったのにしっかりくっつかない」と悩む方は多いです。
接着剤がうまく接着しない原因は、使用している接着剤の種類だけでなく、素材や表面の状態、環境要因などさまざまな要素が関係しています。
問題ごとに適切な対処法を知っておくことで、快適にフィギュア製作や修理ができます。
フィギュアの素材による接着不良
フィギュアに使われている素材には、ABS樹脂やPVC、ポリスチレン、レジンなどさまざまな種類があります。
素材ごとに適した接着剤は異なり、例えばABSにはプラスチック用の溶剤系接着剤が有効ですが、柔らかいPVCには密着しにくいことがあります。
またポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)は、一般的な接着剤では接着がとても難しい素材です。
フィギュアのパーツが何の素材でできているかを確認し、それに合った接着剤を選ぶことが大切です。
- ABS樹脂:プラスチック専用接着剤や瞬間接着剤
- PVC:瞬間接着剤や2液混合型エポキシ接着剤
- レジン:エポキシ接着剤
- PP・PE:専用のプライマーや特殊接着剤
表面の汚れや油分による影響
接着面に指紋やホコリ、油分や離型剤の残りがあると、接着剤が本来の力を発揮できません。
新しいフィギュアほど製造工程で使われる離型剤が残っている場合があり、しっかり洗浄しないと密着しにくくなります。
パーツ同士を接着する前には、中性洗剤で洗ったり、無水エタノールを使って油分を拭き取るようにしましょう。
小さな汚れや目に見えない油分でも、接着強度に大きく影響します。
接着剤選びの誤り
「なんでも使える」と思いがちですが、万能型の接着剤でもすべての素材に適合するわけではありません。
プラスチック専用、瞬間接着剤、エポキシ系、ウレタン系など、種類によって得意な素材や用途が異なります。
例えば、瞬間接着剤は手軽ですが、柔らかい素材や広い面積の接着には向かない場合があります。
それぞれの接着剤の特徴を理解した上で、用途や素材に合ったものを選ぶと失敗が減ります。
接着剤の種類 | 特徴 | 適した用途 |
---|---|---|
瞬間接着剤 | 速乾性で便利だが柔軟性は弱い | 硬質プラスチック・細かいパーツ |
エポキシ接着剤 | 硬化に時間がかかるが強力 | 重いパーツ・異素材同士 |
プラスチック用接着剤 | 樹脂を溶かし一体化させる | 同一素材のプラパーツ |
接着面の状態による問題
接着する面がザラザラしていたり、逆にツルツル過ぎると接着剤がうまく密着しないことがあります。
凹凸が大きい場合は、やすりで面を平らに均すと密着度が高まります。
逆に、あまりにも鏡面仕上げになっている場合は、細かい紙やすりで軽く傷を付けることで接着力が上がります。
接着部分にヒビや欠けがある場合も、事前に補修しておくことが重要です。
気温や湿度など環境要因
接着作業を行う際の環境も成功に直結します。
多くの接着剤は気温が低いと硬化が遅くなり、湿度が高いと接着不良につながることがあります。
とくに冬場の寒い場所や梅雨の時期には、説明書に記載の適切な温度・湿度環境で作業することが大切です。
暖かい室内やエアコンの効いた場所で作業すると、接着剤が本来の性能を発揮しやすくなります。
接着剤の劣化や保存状態
古くなった接着剤や、保存状態が悪かったものは粘度が変わったり硬化の反応が鈍くなることがあります。
一度開封した接着剤は空気や湿気で劣化しやすいので、密封して冷暗所で保管するのが望ましいです。
特に瞬間接着剤は劣化が早く、固まったり糸を引くようになったら新しいものに交換しましょう。
購入時期や状態を確認し、調子が悪ければ迷わず買い替えるのが安全です。
フィギュアの塗装面による影響
塗装済みパーツをそのまま接着しようとすると、塗料の層が邪魔をして本体同士がしっかり密着しないことがあります。
可能であれば、接着面の塗装をカッターややすりで削り、本体の地の部分どうしを接着しましょう。
特にメタリックや光沢塗装は接着剤が弾かれやすいので注意が必要です。
接着後の補修塗装が必要になる場合もありますが、きれいに仕上げるためには接着強度を優先させたほうが安心です。
フィギュアの素材別に適した接着剤

フィギュアを修理したいとき、使われている素材によって最適な接着剤は異なります。
間違った接着剤を選ぶと「全然くっつかない!」という結果になりがちなので、素材別に向いている接着剤を知ることが大切です。
ここでは主要なフィギュア素材ごとに、相性の良い接着剤や注意点を紹介します。
ABS樹脂製フィギュア
ABS樹脂は硬く耐久性があり、ガンプラや精密なプラモデル、ハイクオリティなフィギュアなどに広く使われています。
ABSは一般的なプラモデル用の接着剤ではうまくくっつかない場合もあるので、ABS専用接着剤や瞬間接着剤がおすすめです。
- ABS専用接着剤:メーカー純正のものが安心です。
- 瞬間接着剤(シアノアクリレート系):広範囲になじみやすいですが、白化に注意しましょう。
- エポキシ系接着剤:強度が高く、パーツの重さにも対応できます。
特に可動部分や力のかかる場所はエポキシ系接着剤が相性よく強度を発揮します。
PVC製フィギュア
PVC製品はソフトで柔らかさが特徴のため、接着剤によってはまったくくっつかないことがあります。
一般的な瞬間接着剤も使えますが、劣化や白化、パーツの変色などが起こることがあります。
接着剤の種類 | 特徴 | おすすめ度 |
---|---|---|
ゴム系接着剤 | 柔軟性があり、PVCとよくなじむ | ◎ |
瞬間接着剤 | 速乾性だが柔軟性に欠ける | 〇 |
多用途接着剤 | 幅広い素材に使えるが、強度に注意 | △ |
ゴム系接着剤は仕上がりも自然で剥がれにくいので、PVC製フィギュアには特におすすめです。
ポリエチレン・ポリプロピレン製
この2つの素材は非常にくっつきにくいことで有名です。
家庭用の接着剤ではほぼ接着できませんので、専門のプライマーや専用接着剤が必要です。
もし「フィギュア 接着剤 くっつかない」と感じた場合は、素材がポリエチレンやポリプロピレンである可能性も考えましょう。
以下のような方法が効果的です。
- プライマー(接着補助剤)を使って接着面を処理する
- ポリエチレン・ポリプロピレン対応の専用接着剤を使う
それでもうまくいかない場合は、素材自体の特性が原因なので、最終的には構造自体を工夫したり、ネジ止めなど物理的な補強も検討しましょう。
レジンキャスト・ガレージキット
レジンキャスト製やガレージキットは、パーツが細かく壊れやすいため接着剤選びがとても重要です。
主流は瞬間接着剤(シアノアクリレート系)ですが、精密な作業や合わせ目の強度を求める場合はエポキシ系接着剤もおすすめです。
エポキシ系は混ぜて使うタイプで固まるまでに時間がかかりますが、その分がっちりと固定されます。
仮止めには瞬間接着剤、本番の固定にはエポキシ系接着剤など、用途で使い分けるのがコツです。
また、パーツ表面が油分を含んでいる場合はクリーナーでしっかり脱脂してから接着するときれいに仕上がります。
フィギュアに使える接着剤の種類

大切なフィギュアが破損したときに、どの接着剤を選べばしっかりくっつくのか悩む方も多いです。
フィギュアの素材や用途によって、適した接着剤は異なります。
接着力や仕上がりの美しさを重視しつつ、失敗しにくい接着剤の選び方がポイントとなります。
ここではフィギュア修理に使える代表的な接着剤について解説します。
瞬間接着剤
瞬間接着剤は、プラスチックや金属などさまざまな素材に対応できるのが特長です。
少量で瞬時に固まるため、細かな部分の接着やパーツ同士の固定にも便利です。
ただし、透明パーツや柔らかい樹脂には白化(曇り)が出る場合があるため、使う際は注意が必要です。
また、接着力は強いものの、衝撃や曲げに対する耐性はそれほど高くありません。
- 速乾性が高いので作業がスムーズ
- 取り扱いが簡単だが、失敗するとやり直しが難しい
- 目立つ部分の接着には慎重な作業が求められる
用途やパーツの素材によって使い分けると、満足のいく修理がしやすくなります。
エポキシ接着剤
エポキシ接着剤は、主剤と硬化剤を混ぜて使用する二液性の接着剤です。
硬化までにやや時間がかかりますが、そのぶん接着力が非常に強力なことが特長です。
特に、大きめのパーツや重量のある箇所の接着におすすめです。
メリット | デメリット |
---|---|
強力な接着力 | 硬化に時間がかかる |
幅広い素材に対応 | 混ぜる手間がある |
耐久性に優れる | やり直しが難しい |
細かな作業を必要とする場合は、作業時間に余裕をもち丁寧に塗布しましょう。
プラスチック専用接着剤
プラスチック専用接着剤は、フィギュアに多く使われているABSやPSなどの樹脂に適した接着剤です。
これらは、溶剤の働きでパーツ同士をわずかに溶かして強固に接着するという仕組みです。
透明な仕上がりを求める部分にも使いやすく、美しい仕上がりが期待できます。
ただし、素材によっては効果が薄かったり、そもそも接着できない場合があるので事前確認が大切です。
取り扱いも比較的簡単なので、初心者にも人気があります。
フィギュアに接着剤をしっかり付けるための下準備

フィギュアをしっかりと接着するためには、いきなり接着剤を使うのではなく、下準備がとても重要です。
下準備が甘いと、いくら高性能な接着剤を使っても、パーツがくっつかない原因になります。
ここでは、フィギュアの接着前にやっておきたい基本の下準備について紹介します。
表面洗浄
フィギュアのパーツ表面には、製造過程で付いた油分やホコリ、型離れ剤などの汚れが残っていることが多いです。
これらの汚れが少しでも付いていると、接着剤がうまく定着せず、接着力が大きく落ちてしまいます。
接着前には必ず、中性洗剤を薄めた水やぬるま湯で丁寧に洗浄しましょう。
細かい部分は柔らかい歯ブラシなどを使って軽くこすると汚れが落ちやすいです。
洗浄後はしっかり水分を拭き取り、乾燥させることも忘れずに行いましょう。
洗浄に便利な道具 | ポイント |
---|---|
中性洗剤 | しつこい油汚れにも有効。必ずすすぎ残しのないようにする |
歯ブラシ | 細かい溝や凹凸の汚れ落としに最適 |
柔らかい布・ペーパータオル | 水気を吸い取る際に傷をつけず安心 |
細かいヤスリがけ
フィギュアのパーツ同士を接着する前に、接着面を軽くヤスリがけすることが大切です。
ヤスリがけを行う理由は、表面に細かな凹凸をつけることで接着剤の食いつきを良くし、剥がれにくくするためです。
力を入れすぎず、200番から400番程度の耐水ペーパーを使って軽くなぞるようにしましょう。
- ヤスリがけは接着剤が付く部分だけに絞る
- 一方向ではなく、円を描くようにヤスるのがおすすめ
- 削りカスはエアダスターや刷毛でしっかり落とす
ヤスリがけ後に残った削りカスも接着不良の原因になるので、一度しっかり拭き取るのもポイントです。
仮合わせ・位置確認
いざ接着してみたらパーツがずれてしまった、という失敗を防ぐために、事前の仮合わせが重要です。
仮合わせとは、実際に接着剤を使わずにパーツ同士を組み合わせてみて、きちんと合うか、ズレがないかを確かめる作業です。
この時、向きを間違えていないかや、差し込みの深さなども細かくチェックしておきましょう。
必要に応じてエンピツやマスキングテープで目印を付けたり、作業しやすい順番に並べ直したりすると、作業の効率が上がります。
接着剤がくっつかない場合の代替修復方法

フィギュアのパーツ同士が接着剤でうまくくっつかない場合でも、いくつかの別の修復方法があります。
接着剤が効かない素材や曲面、折れた部分でも、工夫と道具を使えばしっかりパーツを固定できます。
ここでは、代表的な代替修復方法を紹介します。
ピン打ち(真ちゅう線など)による補強
フィギュアの接合面に細い穴を開け、真ちゅう線や金属線などを「ピン」として差し込み、さらに接着する方法です。
この方法は特に重いパーツや負荷がかかりやすい部位に有効です。
- 折れた部分にピンバイスやドリルで穴を開ける
- 真ちゅう線などの金属線をカットして差し込む
- 必要に応じて接着剤を補助的に使う
ピンを入れることで物理的な強度が高まり、接着剤のみの場合よりもしっかり固定できます。
二液混合パテの使用
接着剤が効かない素材や大きな隙間には、エポキシパテなどの二液混合パテが活躍します。
パテを手でこねて2つの成分を混ぜ合わせ、隙間に充填して固定します。
メリット | デメリット |
---|---|
硬化後は非常に強固になる | 完全硬化まで時間がかかる |
形状の修正や盛り付けが自在 | 手や工具が汚れやすい |
パテの種類によっては塗装の前処理にもなり、複雑な部位の修復にも最適です。
磁石やネオジムによる接合
磁石、特にネオジム磁石は小さくても強力な吸着力があり、パーツの着脱や可動部の仮止めに役立ちます。
接着剤が合わない部材や、組み換えを楽しみたいフィギュアにはこの方法がぴったりです。
以下のようなパターンで活用されています。
使用例 | 特徴 |
---|---|
頭部や手など着脱パーツ | 交換や分解が簡単 |
関節部分 | 回転や可動を楽しめる |
隠しパーツやオプション装着 | 外観を崩さずパーツ交換が可能 |
磁石を埋め込みたい部分に穴を開けて接着し、反対側にも同じく磁石を固定するだけで簡単に使うことができます。
フィギュア修理の注意点と失敗例

フィギュアの修理では、接着剤がくっつかないといったトラブルや仕上がりの見た目が悪くなるケースがよくあります。
せっかくの大切なフィギュアをきれいに直すためにも、よくある失敗例や注意点を知っておくことが大切です。
一度失敗してしまうと修正が難しくなる場合もあるので、慎重に作業しましょう。
ここでは接着剤を使ってフィギュアを修理する際のポイントを紹介します。
接着剤のはみ出し対策
接着剤のはみ出しは仕上がりを損なう要因の一つです。
パーツ同士をくっつける時は、接着剤の量を少なめに塗ることが大切です。
万が一はみ出してしまった場合に備えて、爪楊枝や綿棒を手元に用意しておくと便利です。
- 爪楊枝で細かい部分を調整する
- 綿棒で余分な接着剤をふき取る
- 接着する前に仮合わせして位置を確認する
液体タイプの接着剤を使う場合は、流れやすいので特に注意しましょう。
透明なタイプならはみ出しても目立ちにくいですが、厚塗りは仕上がりが不自然になります。
白化(曇り)防止方法
プラスチック用接着剤や瞬間接着剤を使用すると「白化」と呼ばれる曇りが発生することがあります。
白化は、接着剤の蒸気が表面に付着することで起こります。
白化しやすい材質 | 対策方法 |
---|---|
ABS樹脂 | 接着後すぐに風を当てて速やかに乾燥させる |
PVC | マスキングテープで周囲を保護する |
アクリル | 接着剤を塗りすぎない |
作業前にフィギュアの表面をきれいに拭き、接着面以外に接着剤がつかないよう注意してください。
換気をしながら作業するのも白化防止に役立ちます。
乾燥時間の確保
せっかく接着しても乾燥が不十分だと、パーツがすぐに取れてしまいます。
説明書に記載された時間より余裕をもって待つことが失敗を防ぐコツです。
- 直射日光や高温は避けて自然乾燥させる
- パーツを固定して動かさないようにする
- 焦らず24時間以上乾燥させるのが安心
乾燥中に動かしてしまわないよう、固定用のテープやクリップを使うと便利です。
十分に乾燥させることで、接着剤がしっかりとフィギュアをくっつけてくれます。
フィギュアの接着成功率を高める工夫

フィギュアのパーツがなかなかくっつかないときは、接着剤の選び方だけでなく、いくつかの工夫を加えることで接着成功率を大きく高めることができます。
作業の環境や使う道具によっても仕上がりが左右されますので、ポイントをしっかり押さえて作業に取り組むことが大切です。
以下では、フィギュアの接着がうまくいかないときに試してほしい工夫を紹介します。
硬化促進剤の活用
フィギュアの接着に瞬間接着剤を使っても、思うようにくっつかない場合があります。
そんな時は「硬化促進剤」の利用がおすすめです。
硬化促進剤は、瞬間接着剤が短時間でしっかり固まるように化学反応を助けてくれるスプレーや液体です。
特に小さなパーツや複雑な形状の接着時には、硬化促進剤を活用すると作業効率がアップします。
主な硬化促進剤の種類と特徴を以下の表にまとめました。
種類 | 特徴 | 使用方法 |
---|---|---|
スプレータイプ | 広い面や複数の部位に一度に噴射できる | 接着後に全体へスプレー |
筆塗りタイプ | 細かな部分やピンポイントで使いやすい | 接着面へ直接塗布 |
硬化促進剤を使う際は、説明書をよく読み、換気の良い場所で使用することを心がけましょう。
クランプや固定具の利用
接着剤を塗って部品同士を合わせても、手で押さえるだけではズレたり外れたりしやすいものです。
そんなときは、クランプや固定具を活用すると安定して接着できます。
クランプとは、接着面をしっかり挟んで圧力を加える道具です。
大きさや形状によってさまざまな固定具がありますが、初めての方には下記のアイテムを使うのがおすすめです。
- 小型クランプ(ミニクランプ)
- 洗濯バサミ
- 輪ゴム
- マスキングテープ
用途やフィギュアの形状によって使い分けると良いでしょう。
長時間押さえ続ける必要があるパーツは、クランプや固定具の力を借りることでしっかり固定できます。
湿度・温度管理
接着剤の性能は、作業する部屋の湿度や温度にも影響されます。
湿度が高すぎると接着力が弱まったり、乾燥が遅れたりすることがあります。
逆に、極端に乾燥していると接着剤が早く固まりすぎ、うまく位置合わせができない場合もあります。
フィギュアの接着作業をするときは、湿度がおおよそ40~60%、温度は20~25度程度が理想的です。
エアコンや加湿器、除湿器を活用して作業環境を整えるのも、きれいに仕上げるコツの一つです。
気温や湿度に注意を払い、最適な環境を意識することで接着の失敗を減らせます。
フィギュア修理を安全に行うために知っておきたいこと

フィギュアを修理する際には、正しい手順や安全対策を取ることが大切です。
特に接着剤を使用するときは、トラブルや事故を防ぐためにも細かな配慮が必要になります。
ここでは、修理時の環境や注意するべきポイントについて解説します。
換気の重要性
フィギュアの修理に用いる接着剤には、有機溶剤や独特のにおいを持つものがあります。
これらの成分を長時間吸い込むと、気分が悪くなったり健康を害する恐れがあります。
そのため、接着剤を使う際は必ず換気を十分に行いましょう。
可能であれば、窓を開けたり、換気扇や扇風機で空気の流れを作ると安心です。
- 作業はできるだけ屋外や窓際で
- 換気扇やサーキュレーターを活用する
- 換気が難しい場合は短時間で作業を終える
家具やカーテンなどににおいが染みつかないように工夫することもポイントです。
接着剤の皮膚・衣服付着への注意
接着剤が皮膚や衣服に付くと、かぶれや炎症の原因になったり、衣服にシミが残ることもあります。
作業を始める前にビニール手袋を着用し、できれば汚れてもよい服装で挑みましょう。
うっかり手についてしまった場合は、慌てずすぐに対応することが大切です。
付着した場所 | 対処方法 |
---|---|
皮膚 | 乾く前にすぐ石けんと水で洗い流します。乾いてしまった場合はぬるま湯にしばらく浸してから、やさしく落としましょう。 |
衣服 | すぐに水洗いしてたたき洗いします。接着剤によっては完全に落とせない場合もあるので、作業用エプロンの着用がおすすめです。 |
また、顔や目に付かないよう十分に注意して作業しましょう。
保管時の注意事項
接着剤を使い終わった後の保管も、フィギュアやご自身の安全のために大切です。
キャップをしっかりと閉めて、直射日光や高温になる場所を避けましょう。
特に小さなお子さんやペットの手の届かないところに保管してください。
フィギュアそのものも、補修後しっかりと乾燥させ、湿度や温度変化の激しい場所には置かないのがおすすめです。
保管を怠ると接着剤の品質が下がったり、変色・劣化の原因となるので注意しましょう。
フィギュアの美観を保つ仕上げ方法

フィギュア同士を接着する作業で、接着剤がくっつかない時ややり直しが必要な時は、美観を保つための仕上げがとても大切です。
失敗した箇所のリペアや仕上げ方法を知っておくことで、お気に入りのフィギュアを美しく保つことができます。
接着跡のクリーニング
うっかり接着剤がフィギュアの表面にはみ出てしまうことはよくあります。
接着剤が固まる前なら、綿棒や爪楊枝で優しく拭き取るのが効果的です。
乾いてしまった場合は、専用のリムーバーや市販の消しゴムなどを使って慎重に取り除きます。
ラッカー系の接着剤は表面を傷めやすいので、作業は少しずつ丁寧に行うことがポイントです。
無理にこすると塗装が剥がれる恐れがあるため、テストをしてから本格的なクリーニングに取りかかりましょう。
- 綿棒や爪楊枝などの細かなツールを使う
- リムーバーを使う際は目立たない部分で試す
- 指先や布でゴシゴシこすらないよう注意する
リペイント・塗装補修
接着の失敗や接着剤の跡を取り除いた後は、塗装が欠けてしまうことがあります。
そのような箇所は、リペイントで美しく仕上げましょう。
タッチアップには、元のカラーに近い塗料や筆、綿棒などが役立ちます。
塗装面の状態に応じて、下地処理も大切です。
補修する場所 | おすすめアイテム | 注意点 |
---|---|---|
細かな線やスポット | 極細筆、マニキュア用の筆 | 塗りすぎないようにする |
広い面積 | スポンジ、綿棒 | ムラにならないよう均一に塗る |
目立つ部分 | スプレー塗料、エアブラシ | 表面を十分にマスキングする |
艶出し・保護材の利用
仕上げの艶出しや保護加工で、フィギュアの表面をきれいに保てます。
リペイント後やクリーニング後には、艶出しスプレーやトップコートを使うと効果的です。
グロスタイプやマットタイプがあるので、好みの仕上がりを選びましょう。
コーティング剤を使う時は、乾燥時間を十分に取り、ホコリが付着しないように気をつけてください。
保護材は紫外線や汚れからフィギュアを守る役割もあります。
フィギュアの接着トラブルで困ったときの解決ヒント集

フィギュアのパーツがどうしてもくっつかないと、焦ったりイライラしたりするものです。
正しい方法を試しても接着できない場合は、思わぬ原因が隠れていることもあります。
そんなときに押さえておきたい、よくあるトラブルの原因やおすすめの対策、応急処置方法についてご紹介します。