六角ネジがなめたとき、「どうしてもうまく外せない」「工具も効かない」と頭を抱えた経験はありませんか。
特に使い慣れた器具や家具で起こると、無理に力をかけてさらに状態を悪化させてしまうことも珍しくありません。
こうした悩みに対し、接着剤を使って六角ネジを外すという方法があるのをご存じでしょうか。
この記事では、六角ネジがなめる仕組みや原因から、接着剤による効果的な外し方、選び方や安全な作業のコツまで、実践的なノウハウをわかりやすく解説します。
もう六角ネジのなめたトラブルで、悩まないためのヒントがきっと見つかります。
六角ネジがなめたときに接着剤で外す方法と注意点

六角ネジがなめてしまうと工具が空回りしてしまい、ネジを外すのが非常に難しくなることがあります。
そんなときには接着剤を使った方法が有効ですが、使用や作業にはいくつかポイントや注意点があります。
六角ネジがなめる仕組み
「なめる」という状態は、六角ネジの角が丸く潰れてしまい、本来合うはずの六角レンチなどがうまく噛み合わなくなることを指します。
主な原因は、工具のサイズが合っていないまま強い力を加えたり、ネジ自体に錆や汚れが付着している状態で無理に回したりすることです。
また、繰り返しの着脱や適切でない力加減でもなめやすくなります。
接着剤が効果的な理由
接着剤には硬化後に強力に物体同士を固定する性質があります。
なめた六角ネジと工具(たとえば六角レンチやドライバー)を接着剤でしっかりと一体化させることで、空回りしていたネジの頭にまた力が加えやすくなります。
硬化した接着剤が間に入ることで、摩擦力を増し、滑ることなくネジを回せるようになるのが理由です。
接着剤を使う際の手順
- ネジの頭と工具の差し込み部分をきれいに掃除し、油分やゴミを取り除く
- 工具の先端またはネジの頭に接着剤を適量塗布する
- 工具をしっかり差し込み、ズレないように固定する
- 接着剤が完全に硬化するまで十分に待つ(メーカーの目安時間を確認)
- ゆっくり力を加えてネジを回し、取り外す
接着剤が完全に固まるまで急がずに待つことが成功のポイントです。
使用する接着剤の種類
なめた六角ネジの取り外しに使われる主な接着剤には以下のような種類があります。
接着剤の種類 | 特徴 | おすすめポイント |
---|---|---|
瞬間接着剤(シアノアクリレート系) | 短時間で硬化・少量で強力 | 応急処置や軽度のなめに有効 |
エポキシ接着剤 | 耐久性・強度が高い | 重度のなめやしっかり固定したい場合に最適 |
使用場面や必要な強度に応じて選ぶのがポイントです。
安全に作業するためのポイント
- 接着剤が皮膚につかないよう、手袋やマスクを着用する
- 換気の良い場所で作業を行う
- 硬化中の接着剤は触らない
- 作業前に、事前に道具やパーツを揃えておく
- 万が一に備えて水やティッシュを用意しておく
安全に作業することは、トラブルを未然に防ぐうえで非常に大切です。
失敗しやすいケース
接着剤が十分に乾かないうちに工具を回してしまうと、固定力が弱くなり再びなめてしまうことがあります。
また、ネジの内部が錆びていたり、大きく変形している場合には、接着剤だけでは固定できず失敗することもあります。
その他にも、工具やネジに油分やゴミが残っているとせっかくの接着剤の効果が発揮されません。
接着剤以外の補助的な方法
接着剤を使っても外れにくい場合には、以下のような補助的な方法も検討できます。
- ゴムシートや輪ゴムをネジの頭に挟み、滑り止め代わりにする
- 専用のなめたネジ用リムーバー(エキストラクター)を使う
- ペンチやバイスプライヤーでネジの周囲を掴んで回す
- 潤滑油(クレ5-56など)を塗布して緩めやすくする
状況に応じてこれらの方法も組み合わせると、より高い確率で六角ネジを取り外すことができます。
六角ネジがなめる原因

六角ネジがなめてしまうのにはいくつかの共通した原因があります。
原因を理解しておくことで、これからの作業やメンテナンスに役立てることができます。
意外と身近なミスやトラブルが、六角ネジのなめりを引き起こしてしまうのです。
工具とネジの適合不良
六角ネジを回す際、工具とのサイズが合っていないと、ネジ頭にしっかり力が伝わらず、角を潰してしまう恐れがあります。
特に似たサイズの六角レンチやドライバーを無理やり使った場合、滑る原因になります。
- 適正な六角レンチを選ぶ
- 摩耗した工具は使わない
- ネジ山にゴミやサビがついていないか確認する
適合不良を防ぐことが、六角ネジがなめるのを防ぐもっとも大切なポイントです。
締め付けや緩め過ぎ
力を入れすぎてネジを締めたり、逆に無理やり緩めようとしたときも、なめるリスクが高まります。
とくに強力な締め付けが必要な場面で、長いレンチやパイプなどを使って力をかけすぎると、ネジの頭が潰れやすくなります。
状況 | リスク |
---|---|
強く締めすぎ | ネジ頭の破損・工具の滑り |
強く緩めすぎ | 急な力でなめやすい |
力のかけ方が不安定 | 斜めに力が加わり角が潰れる |
なめやすい場面をしっかり理解し、適度な力加減を意識することが重要です。
経年劣化やサビ
六角ネジは使い続けるうちに、経年劣化やサビによって金属がもろくなります。
サビてしまったネジは、固着して回しにくくなり、外そうとしたときにネジ山が簡単になめてしまいます。
また、古くなったネジは角が丸くなっている場合もあり、そもそも工具がかかりにくいので要注意です。
長期間使用するものは、定期的なメンテナンスやネジ交換、潤滑剤の使用がおすすめです。
六角ネジなめ防止のための対策

六角ネジがなめてしまうと、取り外しやメンテナンスが困難になり作業効率が大きく下がります。
日頃から適切な対策をとることで、なめてしまうリスクを減らすことができます。
ここでは正しい工具の選び方や作業手順、日常のメンテナンスについて紹介します。
正しい工具の選び方
六角ネジをなめないためには、工具選びが非常に重要です。
ピッタリとサイズが合った六角レンチやドライバーを使うことで、ネジ穴を傷めずに作業できます。
無理に違うサイズの工具を使うと、ネジ頭に力が均等にかからず、穴が変形してなめてしまう原因になります。
おすすめの工具選びのポイントを以下にまとめました。
- ネジ頭とぴったり合うサイズの工具を選ぶ
- 工具の先端が摩耗していないか確認する
- グリップ性が良いものを使う
- メーカーや品質にも注意する
これらを意識するだけで、なめるリスクを大幅に減らすことが可能です。
適切な作業手順
六角ネジを外す、締める際には正しい手順を守ることが大切です。
具体的には、力を加える方向や工具の差し込み方、ネジ穴の状態などに注意しましょう。
手順 | ポイント |
---|---|
工具をネジ穴に真っ直ぐ差し込む | 斜めに力が加わらないよう注意 |
ゆっくり力を加える | 急な力や無理な力を避ける |
固着している場合は潤滑剤を使う | 負荷を減らし、工具へのダメージも防ぐ |
慌てて力任せに回すと、六角ネジがなめる原因になります。
一つひとつ丁寧に作業を進めることで、失敗しにくくなります。
日常メンテナンス
六角ネジのなめ防止には、日頃からのメンテナンスが欠かせません。
さびや汚れはネジ穴を痛めやすく、なめやすくなる原因となります。
定期的にネジや工具の状態をチェックし、汚れが目立ったらすぐに清掃しましょう。
また、表面の劣化や摩耗を感じたら無理に使わず交換を検討することも大切です。
さらに、防錆スプレーなどを使っておくことでサビを予防し、良い状態を保つことができます。
これらのメンテナンスを習慣化することで、六角ネジのなめトラブルを大きく減らせます。
他の外し方・接着剤が使えない場合の対処法

六角ネジがなめてしまい、接着剤などの化学的な方法が使えない場合でも諦めることはありません。
自宅にある道具や身近なアイテム、または市販の専門工具を活用して、六角ネジを外す方法はいくつか存在します。
状況や手元の道具に応じて、以下の方法を試してみましょう。
輪ゴムやラバーの利用
六角ネジのなめた部分に輪ゴムやラバー素材をはさむ方法は、手軽に試せる対処法です。
次の手順で作業します。
- 輪ゴムやラバーを用意し、六角穴の上に乗せます。
- ドライバーや六角レンチをその上からしっかりと差し込みます。
- ゆっくりと力を込めて回します。
ゴム素材が滑り止めとなり、空回りしにくくなります。
小さなネジや軽度のなめりであれば、この方法で外れるケースが多いです。
貫通ドライバーによる衝撃
貫通ドライバーは、柄の部分がお尻まで金属で貫かれていて、ハンマーで叩いて使えるドライバーです。
なめた六角ネジの上にドライバーをしっかり当て、ハンマーで柄を軽く叩いてみましょう。
この衝撃でネジ穴と工具の密着度が増し、固着したネジが緩むことがあります。
ただし、力を入れすぎるとネジや周囲の部品を傷つけるおそれがあるため、慎重に行うことが大切です。
作業時は手を怪我しないよう、軍手などで保護しましょう。
六角穴の加工
どうしても抜けないときは、六角穴自体を加工して引っかかりを作る方法もあります。
例えば、精密なヤスリや小型ドリルで穴を広げ、より大きめの六角レンチが入るようにする方法です。
または、残ったネジ頭に溝を作り、マイナスドライバーで回すこともできます。
このような六角穴の加工方法にはいくつか種類があります。
加工方法 | 必要な道具 | メリット | 注意点 |
---|---|---|---|
穴の拡張 | ドリル、ヤスリ | 大きいレンチが使える | ネジ穴が変形しやすい |
溝切り | 小型ドリル、やすり | マイナスドライバーで回せる | ネジの頭が欠ける場合あり |
あくまで最終手段ですが、手元の工具で対応できることも多いので覚えておくと便利です。
専用工具の活用
ホームセンターやネットショップでは、なめたネジ専用の外し工具が販売されています。
特に六角ネジの場合、ネジザウルスやエキストラクターなどが便利です。
エキストラクターは専用のビットを電動ドライバーや手動ドライバーに取り付けて使い、なめたネジ穴にガッチリと噛み込ませて外します。
ネジザウルスはペンチ状ですが、特殊な先端形状で頭をしっかり掴み、回転できるのが特長です。
確実に外したい場合や他の方法で外せなかったときには、このような専用工具の利用を検討しましょう。
六角ネジをなめても焦らず対応するために

六角ネジの頭がなめてしまうと、焦ってしまうこともありますが、適切な対処法を知っていれば落ち着いて対応できます。
無理に回そうとせず、まずは状況をしっかりと確認しましょう。
ドライバーやレンチが滑る、形が崩れている場合でも、正しい方法を選べば除去や緩めることが可能です。
今回ご紹介したような、接着剤を上手く活用することでさらなるダメージを防ぎつつ、効率的に作業を進めることができます。
もし自分での対応が難しいと感じた場合は、早めに専門業者へ依頼することも大切な選択肢のひとつです。
これまで解説した手順とポイントを参考に、トラブル時も慌てず、落ち着いて対処してください。
六角ネジのトラブルをきっかけに、工具や作業方法を見直すことも安全に作業を進めるためのポイントです。